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これから整骨院を開業する方のなかには、「人気のある整骨院はどんなレイアウト、デザインを取り入れているのか」「どの程度の予算をかけているのか」といった点が気なっている方は多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、店舗デザインの考え方や、内装・外装の相場と費用を抑えるポイントなどをまとめました。施工例もご紹介しているので、ぜひイメージしながらチェックしてみてください。
整骨院の開業件数が増加傾向にある近年、優れた技術だけでなく、居心地の良さやおしゃれさを求めて来院する方が増えてきています。どのような店舗デザインが受け入れられているのか、外観と内観に分けてポイントを見ていきましょう。
外観デザインのポイントは以下のとおりです。
成功している整骨院は一様に、地域の人々に愛されている印象です。街の景観と調和し、そこで暮らす人々に寄り添うように佇んでいます。
ただ景観に馴染むのではなく、人目を引くようなおしゃれさを併せもっているのが特徴です。一見して整骨院とは思えない高いデザイン性がポイント。おしゃれなサロンやカフェのような趣があります。
内装デザインのポイントは以下のとおりです。
内装デザインはリラックスが大きなテーマです。治療や身体のメンテナンスをしに来られた方に、癒しの時間を提供することに重きを置いています。
清潔感も欠かせませんが、病院のような無機質な感じではなく、洗練された上質な空間といったほうがしっくりきます。外観と同様、従来の整骨院のイメージとは異なる、新しい空間が広がっています。
人気のある整骨院の外観・内装デザインは、「整骨院といえば」という概念がありません。他店との差別化とオリジナリティを優先し、自由な発想で顧客のニーズに応えています。
ここでは、コリドールで手掛けた内装レイアウトの施工例を一部ご紹介します。
鷹匠という立地から、メインターゲットは働く女性。オーナー様は、大人の女性が「かわいい」「おしゃれ」「○○屋さんみたい」と感じるデザインを希望されていたため、ここに訪れることがひとつのステータスになるよう、ファサード(正面デザイン)を大切にしました。
内装のテーマは、「前向きになれる空間」です。店舗のブランドカラーでもあるピンクと、自然素材の木目を強調し、かわいらしさとぬくもりを感じる空間に仕上げました。また、天井にハートマークをあしらって遊び心をプラスしたのもポイントです。
いふう鍼灸接骨院様の店舗づくりのコンセプトは、「サロンのように洗練されたカジュアルな空間」です。「上質でありながらお客様が入りやすく、ゆったり過ごせる場所にしたい」というオーナー様の希望が背景にありました。
そのため店舗デザインでは、医療的な雰囲気を払拭し、おしゃれさと同時に親しみやすさも感じられる空間にすることを意識しました。
壁紙にはモダンなレンガ調を採用し、カーテンやカーペットにはさりげなく柄を取り入れています。さらに椅子や施術台、扉、時計にはブルーの差し色をプラス。訪れた方の印象に残るようなインパクトのある空間に仕上げました。
守接骨院様では、柱と梁に天然木材を使用。照明は暖色系を採用し、温かみのある空間に仕上げました。
「個室がこわい」という患者さんもいらっしゃるとのことでしたので、カーテンを外して開放感のある施術空間に。その分、ベッド回りのスペースにゆとりをもたせてプライバシーを確保しました。視界が開けた居心地のいい空間に、驚く患者さんも多いそうです。
待合空間にはオブジェを置き、コーヒーを飲めるスペースをつくりカフェ要素を取り入れました。「ここで地域の方たちがつながってくれれば」というオーナー様の願いが込められています。
開業時は、外観・内装費のほかにも費用がかかります。堅実な資金計画を立てるためにも、外観・内装費用の相場と、費用を抑えるポイントを押さえておきましょう。
開業資金のなかでも外観・内装費用は高額になりやすく、資金全体のおよそ6割を占めます。相場は、平均的な広さ40坪の場合で1,000万円程度です。
ただし、外観・内装費用は、整骨院のコンセプトや広さによって差が生じやすい部分です。物件によっては500万円以下で行えることもありますし、2,000万円以上になることも。オーナー様が理想とするデザインを実現するために、業者との打ち合わせで具体的な費用を確認しましょう。
できるだけ費用を抑えたいときは、以下の点に配慮してみてください。
デザインと施工を別の会社に依頼するより、トータルに行える会社に依頼したほうがコストパフォーマンスは高く、意思疎通のしやすさから満足度も高い傾向です。「ここだけは譲れない」といった優先順位を決めておくと、予算オーバーしたときに取捨選択しやすくなります。
空調設備と水道設備が充実している物件を選ぶのも有効です。ただし、設備はあるものの老朽化が進み、取り替えが必要になる場合も。内見時には空調や水道の状態を必ず確認するようにしましょう。
間取りは、角の少ないシンプルな形のほうが内装費を抑えることができます。一般的に1階(路面店)のほうが賃料は高く設定されていますが、高所の工事費と集客の観点から、1階のほうが費用対効果が高いことがあります。
整骨院の内装工事で重視するのは、デザイン性だけではありません。法令と使い勝手の部分も重要です。ここでは、「構造設備基準」と「動線」について解説していきます。
整骨院を開業する際には、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(所謂「あはき法」)という基準を遵守する必要があります。
自治体によってはこの内容を独自に解釈し、「構造設備基準」という明確な基準を設けている場合があります。静岡市にはこのような明確な基準は設けられていませんが、構造設備基準を定めた自治体に属する整骨院は、その内容を守らなければなりません。
以下、注意したい内容をまとめていますので確認しておきましょう。
・広さの基準
6.6平方メートル(2坪)以上の専用の施術室を有すること
3.3平方メートル(1坪)以上の待合室を有すること
・換気の基準
施術室は室面積の1/7以上に相当する部分を外気に開放できること。あるいはこれに代わる適当な換気装置があること
・衛生面の基準
施術に用いる器具、手指などの消毒設備を有すること
このほか、管轄の保健所で定めている独自の「指導基準」もあります。詳細は各自治体のホームページなどを確認してください。
お客様にリラックスして過ごしてもらうためには、スムーズな動線は欠かせません。お客様だけでなく、スタッフの動線も同時に確保することが大切です。
動線を考えるときのポイントとしては、以下のような内容が挙げられます。
上記に加え、専有面積に余裕があれば、個室を設けたりカウンセリングルームを独立させたりすると動線が整う上、よりリラックスできる空間に仕上がります。
整骨院の外観・内装デザインについて解説しました。健康や美容への意識が高まり、整骨院に求めるものも多様化しています。従来の画一的な整骨院のイメージから、オリジナリティを表現できる整骨院が人々を惹きつける時代になっています。
そんななかコリドールが大切にしていることは、オーナー様が目指すものを共有すること。そして、プロの視点からどのように差別化させるかを真剣に考えることです。まずは、オーナー様が目指す整骨院のイメージを教えてください。私たちと一緒に人気店をつくっていきましょう。