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整骨院の競争が激しい現代において、どのように売上を立てていくかは命題のひとつ。これから開業を目指す方は、あらかじめ具体的な数字を用いて売上を立てる戦略を考えることが大切です。
売上を立てていく上で欠かせないのが集客数です。規模やコンセプトにもよりますが、整骨院の目標とすべき来院数は1日40人を目安とすることができます。
本記事では、この数字を達成するために押さえておきたい売上の計算方法や集客戦略について解説します。
はじめに、1日の来院数について見ていきましょう。
売上を考えるにあたり、1日どのくらいの患者さんに来院してもらえるかは非常に重要です。施術内容やスタッフの人数などにもよりますが、整骨院の目標とする来院数は30~40人/日。実際、当社で店舗設計・施工をさせていただいた整骨院様も目安にされています。
売上および集客を考えるときはこの数字をベースにすると、バランスのいい経営を実現しやすくなります。
整骨院の売上の計算方法について解説していきます。売上を構成するものの性質がわかると、戦略方法も明らかになってくるものです。しっかり押さえておきましょう。
整骨院の売上は、以下の計算式で求めることができます。
売上=来院数×平均単価
来院数とは「来院された患者さんの人数」、平均単価とは「患者さんが支払った平均金額」です。売上を伸ばすには、来院数あるいは平均単価を上げていくことが重要だとわかります。
このうち、特に注目したいのが「来院数」です。来院数を構成する「患者数」と「来院頻度」、そして整骨院で重要な「リピート率」について解説していきます。
来院数は以下の計算式で求めることができます。
来院数=患者数×来院頻度
患者数とは「来院された患者さんのカルテ数」、来院頻度は「来院された患者さんの平均来院数」です。
来院数を上げるためには、患者さんの母数を増やす施策、あるいは来院の頻度を上げる施策が必要になります。
患者さんの母数を増やす、つまり新規患者を獲得するためには、定期的に不特定多数の人に向けた宣伝が必要です。チラシやSNS、WEB広告など多様なツールがあるので、ご自身の整骨院に合ったものを組み合わせて実施しましょう。
来院頻度を上げる施策としてよく用いられるのが回数券です。回数券は次の来院を促すために有効なツールですが、患者さんが毎回の来院(施術)に満足しているかといった点の確認を怠ると、患者離れにつながることも。患者さんとのコミュニケーションを意識して運用することが大切です。
患者数は「来院された患者さんのカルテ数」になりますが、ここをさらに掘り下げ、どのような患者さんで構成されているのかを把握することで、課題と戦略が見えてきます。
以下は、患者さんの種類とKPI(重要業績評価指標)の月間目安です。
前月にも来院された患者さん(リピート患者) | 80%以上 |
今月初めて来院された患者さん(新規患者) | 15%程度 |
前月より以前に来院された患者さん(休眠患者含む) | 5%程度 |
施術所を構える整骨院は、他エリアで店舗を増やさない限り、商圏はある程度定まります。そのため、新規患者数は時間の経過とともに減少していくことは避けられません。
そこで重要となるのがリピート患者数です。経営を安定させ持続可能な整骨院にしていくためには、いかにリピート患者を増やしていくかがポイントになります。
来院数は以下の計算式で求めることができます。
来院頻度=来院数÷患者数
来院頻度は4.0回/月がひとつの目安となります。患者さんの症状により異なりますが、おおむねこの数字を目指すことで、経営を安定させることができます。
また、数値が高い場合は患者さんが限定されていることを意味します。症状が改善し通院の必要がなくなった場合の売上への影響を考えると、高すぎるのもよくありません。ほかの数字も鑑みながら、それぞれの適正値を判断していきましょう。
患者離反が最も起こりやすいのは、初来院から2回目の来院に至る間です。そのため、リピート率は「2回目のリピート率」に注目する必要があります。2回目のリピート率は、以下の計算式で求めることができます。
2回目のリピート率=2回目の患者数/新患数
2回目のリピート率は90%が理想です。また、1回目と2回目の来院間隔も重要なポイント。あまりに空きすぎている場合はリピート率として評価が難しくなってきます。来院間隔は2週間程度に設定しておきましょう。
整骨院の売上の計算式と考え方を解説してきました。理想とする数字に近づけるためには、相応の戦略が必要です。ここでは、特に着目してほしい「集客」、「サービス・施術」、「空間づくり」、「立地選定」についてご紹介します。ポイントは以下の4つです。
前述したように、患者さんは新規患者、リピート患者、休眠患者の3つに分類することができ、属性によってアプローチ方法は異なります。各属性に効果のある集客手法を選ぶことが大切です。
整骨院の競争が激しい現代で勝ち抜くためには、保険診療に依存しない独自のサービス・施術が求められます。なかには、フィットネスやパーソナルジムなど他業種とコラボレーションし、従来の整骨院のイメージを覆す事業展開をするオーナー様もいらっしゃいます。
内装・外装に関しても同様に、差別化が進んでいます。整骨院らしくない外観、医療的なイメージが先行しない内装で、整骨院にプラスアルファの価値を創出。これらは患者さんのニーズを反映した結果だといえるでしょう。
また前提として、成功している整骨院は立地選定に妥協がありません。マーケティング調査に基づき、論理的に分析して適切な立地を選んでいます。立地を選ぶ際は、焦らず慎重に行うようにしましょう。
集客戦略の詳細については、以下のページで詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
内部リンク:「整骨院の効果的な集客手法、集客戦略とは?ターゲティングと差別化がポイント」
売上を立てるためには、売上を構成するものへの理解と集客につながる戦略が欠かせません。一見、難しく感じがちですが、細分化していくことで目標となる数値を見つけることができます。
開業に向けて売上や集客をどのように考えたらよいか、誰しも不安を抱えてしまうものです。そんなときは、ぜひコリドールを頼ってください。事業計画の段階から寄り添い、トータルに支援・アドバイスさせていただきます。