SEMINAR / BLOG
晴れて整骨院を開業できたとしても、集客がうまくできなければ安定した経営は難しいものです。特に競争が激化する現代では、集客の失敗がそのまま事業の失敗につながるケースが少なくありません。成功させるためには、事前に集客のノウハウを身につけておくことが大事です。
この記事では、そもそも集客とは何かという基本的な部分から、集客手法や集客戦略などを解説します。
効果的な集客を行うために、まず理解しておきたいのが顧客(患者)の属性です。属性によってアプローチ方法は異なりますが、集客に失敗するケースではこの属性分けができておらず、焦点のずれた集客になっていることが多いです。
整骨院の顧客の属性は以下の3つに分けられます。
1. 新規患者
2. 既存患者(リピート客を含む)
3. 休眠患者(既存患者のうち足が遠のいている人)
この3つを集客の費用対効果の高い順に並べると、2.既存患者、3. 休眠患者、1. 新規患者となります。
マーケティングの世界には「1:5の法則」と呼ばれる法則があり、新規患者を獲得するには既存患者の5倍のコストがかかるといわれています。集客活動を行うときは、この法則を理解しておくことが大切です。
以下でそれぞれの属性の特徴と、集客のポイントを解説します。
まだ来院したことのない新規の患者さんです。自分の整骨院の存在を知らない、あるいは存在は知っていても来院に至っていない状態となるため、集客のポイントは「どんな整骨院なのかを知ってもらうこと」になります。
不特定多数の人が対象となる新規患者の集客方法はさまざまです。例えばチラシ、ホームページ、SNS、WEB広告、外観のデコレーション、地域活動への参加などがあり、発展系として既存客の口コミや紹介なども含まれます。
開業時の集客でどれを選択するか迷ったときは、チラシ&ポスティングとホームページを検討してみることをおすすめします。チラシで開業告知をし、ホームページに誘導して整骨院の特徴を知ってもらう流れです。スタンダードな方法ですが一定の効果が見込めます。
さらにSNSを活用して、生き生きとしたスタッフの様子や院内の雰囲気を発信していけるといいでしょう。
既存患者は一度来院してくれた患者さんや、繰り返し来院されるリピーターが該当します。
既存患者の集客ポイントは、「再び来院することで得られるメリットを伝えること」です。2回目の来院、あるいは通うことで何かしら特典を受けられる仕組みをつくっていきましょう。
例えば、クーポンやサービス券、リピーターには割安となる回数券も有効です。また患者さんにとっては、自分の身体をよく理解してくれている点もメリットになります。コスト的なサービスだけでなく、安心や信頼につながるサービスを展開するのも一手です。
整骨院の集客は、一度来院してくれた方をいかに既存患者として定着させられるかがカギです。ご自身の整骨院の強みを活かせる方法を見つけていきましょう。
休眠患者とは、継続的に来院していたものの一定期間来院のない患者さんのことです。
多くの場合、整骨院に不満があるわけではなく、多忙などの理由で来院できなくなり、以降何となく再訪のきっかけをつかめず足が遠のいていると想定できます。間隔が空いたことで行きづらくなってしまった方もいるでしょう。
休眠患者の集客のポイントは、「コミュニケーションの復活」です。直接会ったり話したりできなくても、思い出してもらうきっかけをつくれればOKです。
集客ツールとしては、ハガキやSNSを使ったDMがおすすめです。DMはチラシと違い「あなたに送っている」という付加価値を与えられます。内容はキャンペーンや新メニューのお知らせなど、さまざまなパターンが考えられます。できれば、その方だけに向けたメッセージも添えられると効果大です。
整骨院の開業件数は年々増え、競争が激しくなっている昨今において、マーケティング戦略の重要性は高まっています。勝ち抜くためにはターゲットを絞り、他店と差別化できるサービスをピンポイントで届けていくことが重要です。
ここでは、他店と差別化を図る方法をターゲット別にご紹介します。あくまで一例ですので、ここから着想を得て、整骨院の強みを活かせる方法を見つけましょう。
中学生や高校生など10代の学生が多いエリアの場合、部活動(スポーツ)によるケガへのケアに特化したコースを設けるのも一手です。一般的に整骨院に通う層は社会人〜シニア層が多いため、ニッチ戦略といえます。
ケガのケアをはじめ、ケガ予防、疲労のケアなど症状やニーズに応じたメニュー展開が可能です。また、保護者と一緒に来院するケースもありますから、待合室を広めにするといった工夫をするといいでしょう。
小さなお子さんを抱える子育て世代が多ければ、お子さん連れでも安心して来院できる環境を整えることが差別化につながります。
キッズルームをはじめ、大きな施術所であれば院内に保育施設を併設するケースもあります。実際、当社のお客様のなかにも、保育士さんを雇用して保育サービスを展開された整骨院様がいらっしゃいます。院内環境だけでなく、産後の骨盤矯正などママさん向けのメニューを組み込むのもいいでしょう。
子育て世代を20〜40代とした場合、自身の健康や美容に積極的な世代でもあります。フィットネスやパーソナルジムなど他業種とタッグを組み、複合施設のように展開する方法も。アイデアは多彩に広がります。
シニア世代に特化する方法もあります。なかでもアクティブシニアは健康意識が高いため、アプローチ次第でさまざまな展開が可能です。患者同士がコミュニケーションをとれるプランをつくったり、セルフケアをレクチャーする勉強会を開催したりといった方法が考えられます。
また、シニア世代は午前中に来院される方が多い傾向です。他の世代が通いにくい時間帯を効率的に使えるというメリットもあります。
成功している整骨院の傾向として、空き時間を作らない工夫をしています。そのため集客活動にも積極的です。ターゲットや時期に合わせて、複数の集客ツールを使い分けています。ここでは、それぞれの集客ツールの特徴と使い方などを見ていきましょう。
SNSはタイムリーな情報をコンパクトに発信できる良さがあります。例えば、臨時の定休日など店舗に関する情報や、イベントなど旬な情報を発信したいときに便利です。フォロワーに向けたキャンペーンを開催しても面白いでしょう。
写真が中心のInstagramはお店の雰囲気を伝えるのに最適です。開業前は、施術所ができていくリアルな様子を投稿していくのもいいですね。コストを気にせず活用できるため、いろいろ試してみるといいでしょう。
新規患者の場合、来院するときは、ホームページでどんな整骨院なのかチェックされる方が多いです。ホームページには来院における不安解消と、他店との比較材料としての役割があります。患者さんが知りたい情報を網羅し、かつ他店と差別化できる内容に仕上げることがポイントです。
コストを抑えたい場合は、無料または低価格で利用できるテンプレートを使う方法もあります。ただし、ホームページは恒久的な集客ツールですから、いずれはきちんとしたものを制作することをおすすめします。
新規患者へのアプローチ方法として昔から利用されているのがチラシです。近隣地域にポスティングして集客につなげます。
ホームページはユーザーが自らアクセスしなければ接点が生まれないツールですが、チラシはポスティングすることで、こちらから能動的に情報を届けることができます。ただし、チラシの反響率は0.01~0.3%とされているため、期待しすぎず地道に効果を狙いましょう。
チラシ制作時には、QRコードを載せてホームページや予約サイトへの動線をつくったり、すぐに捨ててしまわれないように、とっておきたくなるようなデザインにしたりして反響率を上げる工夫も必要です。
また、シニア世代の方はWEBよりも紙媒体を好むため、シニアをターゲットにするときはチラシに力をいれると効果的です。
整骨院開業で失敗しないためには、集客は欠かせません。とりわけ競争化が進む現代は、積極的な集客活動が求められます。集客ツールを組み合わせ、ご自身の整骨院にぴったりの集客プランを立てることが大切です。
コリドールでは店舗設計・施工にとどまらず、集客に必要なマーケティング調査から、集客方法における相談・アドバイスも行っています。開業にあたって集客に不安のある方は、ぜひお気軽にお声かけください。